横溝正史

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横溝正史『壺中美人』を読んだ

この作品、来歴についての情報が少ないのですが、1957年(昭和32年)9月『週刊東京』に掲載された短篇がベースになっているとの記述がネット検索で見つかりました。名作『悪魔の手毬唄』の連載と時期が重なっているため、あちらの方にパワーを割かざるを得なかったのかもしれません。 評価 世界観:3点 どういうわけか『支那扇の女』とダブる。事件の現...
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横溝正史『人面瘡』を読んだ

初出は『講談倶楽部』1949年12月号。この作品の舞台は信州で、金田一耕助の登場もありませんでしたが、1960年7月の『続刊 金田一耕助推理全集第2巻』収録の際、舞台を岡山に移すと同時に、金田一もの(磯川警部も?)に改稿されたそうです。 評価 世界観:4点 『不死蝶』に続く地方モノ。岡山・鳥取県境の湯治場が舞台。『八つ墓村』付近かよ。洞...
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横溝正史『不死蝶』を読んだ

初出は1953年6月~11月の雑誌『平凡』。のちに加筆して、1958年に加筆して『金田一耕助 推理全集第1巻』として東京文芸社から刊行されたそうです。ちなみに『平凡』って、おもに芸能ネタを扱う週刊誌でしたよね。 この作品は、原作を読む前に映像作品を視てしまいましてね、若かりし日の竹下景子がヒロイン・鮎川マリを演じた1978年の横溝正史シリーズⅡ。 ...
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横溝正史『魔女の暦』を読んだ

直接的なコロナ騒動の影響というわけではありませんが、ずいぶん間が空いてしまいました。どうも一つのことにじっくり取り組む心境になれず……。 言い訳はさておき、今回は『魔女の暦』。横溝翁お得意(?)の短編の中長編化で、初出は1956年(昭和31年)5月の『小説倶楽部』です。 報らせを受けて現場に駆けつけた金田一耕助は、思わず「あっ」と声を...
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横溝正史『八つ墓村』を読んだ

『犬神家の一族』や『獄門島』と並んで、最も有名な横溝作品と言っても過言ではないでしょう。 映画やドラマでの「祟りじゃ~! 八つ墓の祟りじゃ~!」という台詞が印象的な『八つ墓村』です。 初読は確か中学生の時。当時は人生経験の乏しさゆえか時代背景や登場人物の立場・心情を理解できず、そこまで良い作品とは思えませんでした。 今じっくり読み...
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横溝正史『霧の山荘』を読んだ

初出は『面白倶楽部』昭和33年11月号に掲載された『霧の別荘』。のちに中編化されたのが本作とのことです。 K高原(おそらく軽井沢)の別荘地帯を舞台とした事件で、冒頭のシーンにいきなり“霧”が出てきます。その場面が印象的なのですが、欲を言えば、最後に霧の中で犯人逮捕!として、霧で始まり霧に終わるというのが味わい深かったかと……。 評価 世界...
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横溝正史『女怪』を読んだ

『女怪』というタイトルからして、怪獣みたいに巨大で容貌魁偉な女が登場するのかと思いきや、現れるのは「ほっそりと華奢でなよなよとして、どこかに頼りなげな」女性です。金田一耕助が恋心を抱いた二人の女性のうちの一人・虹子。ただし、物語は悲劇的な結末を迎えます。 本作は『オール讀物』1950年9月号に発表された短編。ちょうどストーリーが2時間の枠に嵌りやすい...
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横溝正史『悪魔の降誕祭』を読んだ

記事タイトルの「…分析してみた」を「…読んだ」に戻しました。やはり「分析」って、どうにもおこがましいや。 で『悪魔の降誕祭』ですが、『オール讀物』昭和33年1月号で発表された作品。その後、約3倍の長さに改稿されて角川文庫『悪魔の降誕祭』に収録されています。 大胆不敵! 金田一耕助の事務所で起こった殺人事件。被害者は、その日電話をしてきた依頼人だ...
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横溝正史『本陣殺人事件』を分析してみた

初読は中学生の頃。角川文庫版の表紙──黒猫と女の子(鈴子?)の顔が上下に重なっているやつ──と、表紙裏の梗概に〈初夜の褥を鮮血に染めて斃れ伏す新郎と新妻……〉とか何とか書かれていたのを覚えています。ちなみに、黒猫&女の子の表紙はkindole版も同じでした。 久しぶりにしっかり読み込んでみて、改めて横溝翁の意気込みが行間に溢れている作品だと感じました...
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横溝正史『女の決闘』を読んだ

その昔、中央公論新社の『婦人公論』に連載されたという短編。女性誌ということもあってか、複雑怪奇なトリックや残虐無比な悪人、凄惨極まりない死体は出てきません。『女の決闘』という、やや猛々しいタイトルでありながら、人情味のある登場人物が多い作品です。 あらすじ 東京・緑ヶ丘住まいの英国人であるロビンソン夫妻は、諸事情で日本を離れるにあたり、交流のあった緑...
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